ースポーツ外傷とスポーツ障害の違いを知って正しくケアしようー

スポーツ外傷とスポーツ障害の基本的な違い

スポーツをしていてケガをしたとき、「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」という言葉を聞くことが多いですが、違いがよく分からないという方も多いです。どちらも運動が原因で起こるケガですが、発生のしかたや原因、対処法が少しずつ異なります。まずはそれぞれの特徴を押さえておきましょう。

スポーツ外傷とは？

スポーツ外傷とは、転倒やぶつかる、ひねるといった「瞬間的な強い力」が加わることで起こる急なケガのことです。代表的なものとしては、足首の捻挫、打撲、骨折、脱臼、肉離れなどがあります。試合中や練習中のアクシデントで突然発生するのがスポーツ外傷の大きな特徴です。

スポーツ障害とは？

スポーツ障害は、同じ動作を長期間くり返すことで少しずつ体に負担がたまり、痛みや違和感としてあらわれるケガです。いわゆる「使いすぎ」が原因で起こり、テニス肘、野球肘、ジャンパー膝、シンスプリント（すねの痛み）などが代表例です。最初は軽い痛みでも、我慢して続けると悪化しやすい点に注意が必要です。

原因と対処法の違いを理解しよう

スポーツ外傷とスポーツ障害は、原因が違えば対処法も変わってきます。どちらなのかを見極めることで、適切なケアや予防につなげることができます。

スポーツ外傷の原因と対処

スポーツ外傷の多くは、準備運動不足や集中力の低下、無理なプレーなどがきっかけで起こります。転倒して足首をひねった、着地に失敗した、相手とぶつかったというように、はっきりした原因が思い当たるのも特徴です。受傷直後は、安静・冷却・圧迫・挙上といった応急処置を行い、必要に応じて整形外科や整骨院で状態を確認してもらいましょう。

スポーツ障害の原因と対処

スポーツ障害は、練習量が多すぎる、フォームが崩れている、筋力や柔軟性が不足しているといった要因が重なって起こります。最初は「動かしているときだけ少し痛い」程度ですが、そのまま続けると慢性的な痛みになり、プレーの質が落ちてしまいます。痛みを感じたら一度練習量を減らし、アイシングやストレッチで負担を軽くしながら、専門家に相談することが大切です。

ケガを防ぐために今日からできること

スポーツ外傷とスポーツ障害の違いを理解したうえで、日頃から予防を意識することが長くスポーツを楽しむためのポイントです。難しいことをしなくても、次のような基本をていねいに続けるだけでもケガのリスクはぐっと下げられます。

・運動前後にストレッチやウォーミングアップ、クールダウンを行う
・自分の体力や技術に合った練習量を心がける
・痛みや違和感を感じたら無理をせず早めに休む
・シューズやサポーターなど、体に合った用具を選ぶ

スポーツ外傷とスポーツ障害の違いを知っておくことで、ケガをしてしまったときにも落ち着いて対処しやすくなります。「ただの疲れだろう」と自己判断せず、気になる症状があるときは早めに医療機関や整骨院に相談し、適切なケアを受けながら安全にスポーツを楽しんでいきましょう。