
スポーツ外傷の応急処置で最初にやること
運動中のケガは、捻挫や打撲のような軽いものから、骨折や頭部外傷まで幅広いです。応急処置の目的は、悪化を防ぎ、痛みや腫れを抑え、次の医療につなげることです。まずは落ち着いて、周囲の安全と本人の状態を確認しましょう。
安全確保と声かけで状況を把握
プレーを止め、周りの選手を離して二次事故を防ぎます。本人に声をかけ、意識がはっきりしているか、どこが痛いか、しびれはないかを確認します。出血がある場合は清潔な布で圧迫し止血を優先します。
すぐ中止して受診を考える危険サイン
次のようなサインがあれば無理に動かさず、救急要請や受診を検討します。
・意識がぼんやりする、返事が遅い
・骨が変形している、強い腫れや激痛
・歩けない、力が入らない、しびれが続く
・出血が止まらない、呼吸が苦しそう
捻挫や打撲はRICEで悪化を防ぐ
多いケガは足首の捻挫や打撲です。基本はRICEで、安静、冷却、圧迫、挙上を意識します。痛みが強いときほど早めの対応が回復を助けます。
冷やし方のコツと時間の目安
氷のうや保冷剤をタオルで包み、10分から15分ほど冷やします。冷やし過ぎは凍傷の原因になるので、皮膚の感覚を見ながら休憩を挟みます。痛みが落ち着くまでは繰り返すのがポイントです。
圧迫と挙上で腫れを抑える
包帯やテーピングで軽く圧迫し、心臓より高い位置に上げると腫れが広がりにくくなります。圧迫が強すぎると指先が冷たい、色が悪いなどのサインが出るので、その場合は緩めます。
骨折や脱臼が疑われるときの対処
変形がある、触れるだけで強い痛みがある、関節が不自然に動く場合は骨折や脱臼の可能性があります。自己判断で戻そうとせず、固定して搬送を考えます。
固定は動かさないことが最優先
板や段ボール、タオルを当てて、関節をまたぐ形で固定します。手首なら肘まで、足首なら膝までを意識すると安定します。痛みが強いときは無理にまっすぐにせず、楽な角度で固定します。
やってはいけないこと
・引っ張って整える
・痛い部分を強く揉む
・そのまま歩かせる
・温めて血流を上げる
特に直後の温めは腫れや内出血を増やしやすいので注意します。
頭部外傷と熱中症は早めに判断する
見た目が軽そうでも危険なのが頭部のケガと熱中症です。様子見で遅れると重症化することがあります。
脳震盪が疑われたら競技復帰はしない
ぶつけた後に頭痛、吐き気、ふらつき、物忘れがある場合は脳震盪を疑います。本人が大丈夫と言っても、その日は運動を中止します。眠気が強い、繰り返し吐く、けいれんがある場合は救急要請を検討します。
熱中症は涼しい場所で冷却と水分補給
日陰や冷房のある場所へ移動し、衣服をゆるめます。首、わき、足の付け根を冷やし、意識がはっきりしていれば水分と塩分を少しずつ取ります。意識がもうろうとしている場合は口から飲ませず、救急を呼びます。
現場で役立つ準備と受診の伝え方
応急処置は万能ではありません。受診につなげるための情報整理も大切です。
受診を迷ったらこの基準で考える
・痛みが時間とともに強くなる
・腫れが急に増える、内出血が広がる
・関節が動かしにくい、体重をかけられない
・しびれや感覚の鈍さが残る
これらがあれば整形外科や救急外来で相談します。
伝えるとスムーズになる情報
医療機関には、いつどこで何をして起きたか、ぶつけた場所、直後からの症状、応急処置で何をしたかを伝えます。持病や服薬がある場合も共有すると安心です。